関東財務局長(金商)第2186号
一般社団法人日本投資顧問業協会加盟
■上場会社の倒産と「証券投資家の保護」
〇過去、証券市場は「鉄火場(てっかば)」と言われ、投資した会社が倒産したら投資家の責任という考えが一般的だった時代があったようです。
→1960年代、上場会社の倒産が増加、国会で「預金者保護」と「投資者保護」が議論になりました。これを契機に、上場審査の厳格化、上場会社の質の向上等を通じ、証券投資家に適切な投資機会を提供する動きに結びついたと理解できます。
〇過去、「世間が知らない耳寄りな情報」にもとづく証券投資への関心が高い時代があったようです。
→1988年、政界関係者等に未公開株を譲渡、利益提供したリクルート事件が社会問題になりました。1988年5月、証券取引法に「インサイダー取引規制」が定められました。これを契機に「平等な投資情報にもとづく取引」との考え方が市場に浸透していったと理解できます。
■プレビュー取材の慣行と「フェア・ディスクロージャールール」
〇過去、アナリストの一部が、会社の公式の決算発表前に業績予想と実績の乖離について取材を行っていました(プレビュー取材の慣行)。
→2015年、一部アナリストにより一部投資家へプレビュー取材で得た情報の提供等が行われたことが明らかになり、問題となりました。2018年、上場会社等が、取引関係者に未公表の重要情報を伝達した場合、速やかに、この情報を公表しなければならないという「フェア・ディスクロージャールール」が施行されました。これを契機に「重要な情報は市場に平等に伝達」という考え方が市場に浸透していったと理解できます。
➡こうした投資情報の規制の変化は、投資家ご自身の判断を実現するための環境整備につながっていると理解できます。
■東証の売買代金
〇2005年当時、東証の1日当たりの売買代金は1.4兆円でした。リーマンショック以降、数年間は落ち込みましたが、最近は2.8兆円と約2倍の水準に増加しています。
■株券手数料率
〇1999年、株式売買手数料が自由化されました。その後、インターネットを通じた株式売買の増加もあり、市場の株券委託手数料率の低下が進みました。
→市場全体でみて、2005年当時は売買代金の0.17%でしたが、最近は0.03%と約5分の1の水準に低下しています。
■営業収益
〇証券業者一般(東証総合取引参加者)の営業収益(一般企業の売上高に相当)は、2005年当時は3.2兆円、最近は3.2兆円とほぼ横ばいの水準です。
■損益分岐点(当社推定値)
〇証券業者一般(同)の収支がトントンになる損益分岐点の営業収益(当社推定値)は、2005年当時は2.4兆円、最近は2.8兆円と上昇していると推定します。
■「投資情報あれこれ」及びその他の本ホームページにおける記載は、証券市場の理解に関して参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資判断の参考となる情報の提供および投資勧誘を目的としたものではありません。
■「投資情報あれこれ」及びその他の本ホームページにおける記載は、作成時点での当社の見解または評価にもとづく記載を含んでいますが、将来の事象を予測又は保証するものではありません。
■「投資情報あれこれ」及びその他の本ホームページにおける記載は、当社が信頼に足ると思われる各種情報にもとづいて作成しておりますが、当社は、その正確性、完全性、信頼性を保証するものではありません。
■「投資情報あれこれ」及びその他の本ホームページにおける記載に関する著作権は、当社(ロゴス・アンド・パトス・アドバイザリーサービス株式会社)に帰属いたします。
「市場遠眼鏡(マーケットテレスコープ)」は、ロゴス・アンド・パトス・アドバイザリーサービス株式会社が提供する投資家向け有料サービスです。